3Dプリンターが変えるカスタムパーツ制作の自由度
近年、パーソナルユースの3Dプリンターの価格が下がり、性能が向上したことにより、バイクや車のカスタムパーツを個人で手軽に制作することが可能になりました。
特に、市販されていないニッチなサイズのスペーサーや、特定のカスタムパーツを取り付けるためのオリジナルステー、スマートフォンホルダーの土台といった小物は、3Dプリンターでの自作に非常に適しています。
3Dプリンターを使えば、ミリ単位での設計調整が自在に行えるため、「ここに、こういう形状のパーツが欲しい」というライダーの細かな要望を、そのまま形にすることができます。
既製品の制約に縛られることなく、愛車にぴったりフィットする、世界に一つだけの特注パーツを実現できるのが魅力です。
3Dプリンターでパーツを制作する基本的な手順
大きく分けて「設計(モデリング)」「スライス」「プリント」の3ステップです。
まず、「設計」では、専用の3D-CADソフトウェアを用いて、作りたいパーツの形状をデジタルデータとして作成します。
次に、「スライス」の工程で、このデジタルデータをプリンターが理解できる命令(Gコード)に変換しましょう。
このとき、積層の厚さや内部の充填率(インフィル率)といったプリントの設定を行います。
最後に、3Dプリンターに材料(フィラメント)をセットし、設定したデータに基づいて樹脂を一層ずつ積み重ねていくことで、立体的なパーツが完成します。
これらのステップをマスターすることで、カスタムの自由度は格段に向上しますよ。
オリジナルパーツ制作の具体的な手順と設計のコツ
オリジナルパーツを自作する際、最も重要なのが「設計(モデリング)」の段階です。
まず、パーツを取り付ける場所の正確な寸法を測定することが必須です。
ノギスなどを使用して、ネジ穴の位置やクリアランス(隙間)を正確に把握し、その寸法に基づいてCADソフト上で形状を作り上げます。
設計のコツは、いきなり複雑な形状を作ろうとせず、まずはシンプルな形状から試作を繰り返すことです。
特にバイク用パーツの場合、振動や温度変化の影響を受けるため、角を丸める(フィレット処理)などを行い、応力が集中しにくいデザインにすると強度が高まります。
パーツの強度を左右する3Dプリンターの材料選びと注意点
3Dプリンターで自作したパーツの性能を決定づけるのが、材料(フィラメント)の選び方です。
一般的に使用されるのはPLAやABS、PETGなどですが、それぞれ特性が異なります。
PLA(ポリ乳酸)
比較的安価で扱いやすく、寸法精度も出しやすいですが、耐熱性が低く、直射日光やエンジン熱で変形する可能性があるため、車外やエンジン周辺での使用は避けるべきです。
ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)
耐熱性や耐衝撃性に優れており、バイクパーツに適していますが、プリント時に反りやすいという難点があります。
PETG(ポリエチレンテレフタレートグリコール)
PLAとABSの中間的な特性を持ち、耐熱性・耐衝撃性がありながら、比較的プリントしやすい材料です。
走行中に負荷がかかる重要なパーツには、より強度と耐熱性のあるABSやPETGを選ぶか、さらに高性能なナイロン系フィラメントを検討しましょう。
また、仕上がったパーツは、念のため表面処理や塗装を行うことで、紫外線や水分から保護し、耐久性を向上させることが推奨されます。
安全に関わるパーツは専門家と相談し、自作パーツは振動や熱の影響を受けにくい小物やカバー類から試すのが賢明です。





